世界No.1の総長と一輪の花 II
絡ませた腕を解いて
「ありがと、竜二」
お礼を言う。
「…いや」
竜二は小さい声で言ってから、「そんなに怖かったか?」とか独り言をぶつぶつ言っていた。
やっぱり気にしてるみたい。
「じゃあ、今度こそ教室戻るね」
ひらりと手を振って教室へと戻ろうとしたところで、
「教室まで送る」
竜二はそう言って私の隣を歩く。
教室なんてすぐ近くなのに……
なんだか嬉しい。
「教室に遊びに来るのは15時からって詩優に言っといて」
今日思った気持ちは全部気のせいだ。
だって、
恋が始まるわけでもないし……
京子side.end