復讐寮~罰ゲーム~
☆☆☆

数分後、お風呂の前を通りかかってみると、数人の女子生徒たちが掃除をしている姿を見つけた。


しかし、その中に亜沙美の姿はなかった。


どうやら、亜沙美の作戦は上手く行ったようだ。


「あたしも、今度からは同じ手を使ってみようかなぁ」


思わず、そう呟く。


カヤ先輩の責任感の強さを逆手に取るのだ。


それができれば、この寮生活はもっと楽しくて自由なものになるはずだ。


そう考えていたタイミングで後ろから声をかけられた。


振り向くと、そこには仁王立ちをしているカヤ先輩がいた。


あたしが掃除をサボったワケじゃないのに、なんとなく視線を逸らせてしまう。


「門脇さん、今日はご飯の担当よ」


そう言われて思い出した。


そう言えば今日は食器当番になっていたっけ。


料理は寮母さんが用意してくれるから、食器の準備と後片付けは生徒の当番制になっているのだ。


今からもう一度ゲームをしようと思っていたあたしは、軽く舌打ちをした。
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