復讐寮~罰ゲーム~
カヤ先輩は瞳の右目にアイスピックを近づける。


「お願いやめて!」


瞳は叫び声を上げてどうにか逃れようともがいているが、びくともしない。


カヤ先輩の持つアイスピックの距離が一気に近づいて、瞳は動きを止めた。


「少しでも動くと、怪我するわよ?」


カヤ先輩の言う通り、アイスピックは右目のすぐ目の前にかざされた。


「大岸くん、彼女を助けるなら今の内よ?」


カヤ先輩の言葉は優歩には届かない。


これは夢だと唱えて自分の頬を殴り続けている。


「人を傷つける犯罪者のくせに、心は弱いみたいね」


優歩の様子にらちが明かないと考えたのは、カヤ先輩は瞳を見つめた。
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