復讐寮~罰ゲーム~
亜沙美の言葉にあたしは頷いた。


犯人がいたとしたら、トイレに行って戻るまでに犯行を終えている可能性がある。


かなり手馴れていないと無理そうだ。


「お前ら本やCDならまだいいじゃん」


2人の会話に入って行ったのは、遊びに来ていた隣のクラスの男子だった。


「なに? お前もなんか無くなったのか?」


「前に財布に入れてた1万円札がなくなってたんだよ。さすがに先生に伝えたけど、盗んだかもしれない犯人はまだ捕まってない」


早口に説明して、悔しそうに下唇を噛んでいる。


「そんな大金を盗まれたのか?」


「たぶんな。使った記憶もないし、財布から出して移動した記憶もないから、誰かに盗まれたんだと思う」


そんな会話を聞いていて、不意に昨日の友樹の財布の中身を思い出していた。
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