愛してると3回言って
「職場で話すことはあるけど、昨日みたいに食事をしながら知っていきたい」


確かにご飯を食べに行くのは昨日が初めてだった。

お互いを知るには食事というのは有効手段ではある。

それは分かるんだけど……と楠木さんを見ると、彼は真剣な表情で私に向かった話をしていた。

気づけば布団の上で正座をしているし。

そんな彼の姿を見て、私は自分の状況に気がつく。


「あの……とりあえず服を着てもいいですか?」


布団で隠しているから見えないが、私は今、何も着ていない。

私の状況に気づいたのか、楠木さんは顔を赤らめ、ぱっと後ろを向いた。


「ご、ごめん!気が付かなくて!」

「いえ。楠木さんも、服を着てください……」

「うん、そうする」


しばらくの間、互いに服を着る時間となった。

洋服が床に散らばっているのを見た瞬間、やっぱりやってしまっまたんだと再認識。

自分のものを急ぎ拾い集めて、いつもの数倍早く着替えた。
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