愛してると3回言って
いくらか時間が経った頃。


「あ~だめだ」


私は頭を抱えていた。


「どうしたんですか?東堂さん」


隣の席の喜多原冬貴(きたはら としたか)が心配そうに私の様子を伺う。

彼は同じ部署の3個下の後輩。

一言でいえば忠犬。

付け加えるなら表情が顔に出やすい。

更に足すなら仕事ができるいい子。


「このお客さん、要求ばっかりで全然こっちの話聞いてくれない!」


そういいながら彼にお客さんから送られてきたメールを見せる。


「うわ~。これを今月中納期って厳しいですよ」

「内容も細かく確認したいから、来月上旬まで時間くださいって言ってるのに、全然聞かない」


私が対応しているお客さんは、よく無茶を言う人で有名。

一応お客さんなので、こちらも可能な限り対応している。

それが評価されたのかどうかわからないけれど、何かあるたびに私に頼ってくる傾向にある。

評価されるのはすごく嬉しいけれど、無茶を言わないでほしいものだ。
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