敏腕社長は哀しき音色に恋をする 【番外編 完】
一緒にサンドウィッチを作って、公園へ向かった。

「恭介さん、なんかわくわくするね」

華は僕に手を引かれながら、ご機嫌で歩いていた。



公園に着く頃には、ちょうどお昼時になっていた。

「華、あっちの芝生の所でお昼にしよう」

「うん」

シートを敷いて2人で座って、サンドウィッチを食べた。


「今日は気持ちのいい天気だね。私、外に出たいなあって思ってたの」

「ああ、そうだろうと思ってたよ」

そう返すと、華は不思議そうな顔をした。

「どうしてわかったの?」

「華の弾く仔犬のワルツは、まるで草原を走り回る華と仔犬の姿が浮かぶようだったからね。外に出たいんだろうなってわかったよ」

「私って、そんなにわかりやすい?」

「ああ。華のピアノは、華の想いで溢れてるからね」

華は、なんとなく納得がいかないような顔をしたものの、また楽しそうにサンドウィッチを食べていた。

僕の奥さんは、本当にかわいい。


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