敏腕社長は哀しき音色に恋をする 【番外編 完】
「おめでとうございます。妊娠されてますよ」

先生の言葉に、恭介さんは私以上に嬉しそうな顔をしていた。

それからしばらくは仕事を続けていたものの、恭介さんは前以上に私の所に顔を出すようになった。

「華、体調はどうだ?」
「華、むりしてないか?」
「華、華……」


「社長、いい加減に抜け出されては困ります!!」

と、長谷川さんに連行されるほどだった。

私の方も若干悪阻があったのと、体調が優れない日もあったから、恭介さんの希望を受け入れて退職することにした。
これで長谷川さんの心労も軽減されるだろう。
私の妊娠が原因で、会社が傾いたなんてなったら洒落にならない。


やどり木の演奏も、しばらくお休みすることにした。
その間は、佐織さんが代役を務めてくれることになった。

ピアノだけは続けたかったから、出産して落ち着いたら、またやどり木にもどるつもりだ。
恭介さんも、それには賛成してくれている。
もちろん、恭介さんは毎回予約を入れると言っている。



過保護で、私にとことんあまい恭介さんは、結婚しても妊娠しても、変わらず私の一番の味方だ。

「恭介さん、愛してる」

そんな私の一言で、これ以上ないような嬉しそうな顔を見せる。

「華、僕も愛してるよ」


END
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