敏腕社長は哀しき音色に恋をする 【番外編 完】
「先生、ありがとうございます。こんなによくしてくださるのに、私、先生に何も返せなくて……」

「そんなこと気にしないで。それに、週末のバーでの演奏を引き受けてくれたのも助かっているしね」

「この依頼を受けて、本当に良かったと思ってます。大きな舞台に立つことは少しも望んでいませんが、誰かのために自分の選んだ曲を演奏させていただくのは楽しいですから」

「神崎さんに紹介してよかったよ。じゃあこれからも頼みますね。
練習熱心なのは素晴らしいですが、帰りが遅くなりすぎないようにしてください」

「はい。もう少ししたら帰ります」
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