【桃・中編・画】金魚の居る場所
暗い道を行くと
「電話番号を教えてください」「のりお」さんの熱意に負けて電話番号を言った。「香港の明星の誕生日と同じ番号ですか?」占いに踊る日本人だなと、面白げに言うと「携帯に登録するから一旦切ります」と言って通話が切られた。だけど、しばらくして私の携帯が鳴って、ディスプレイする番号は「のりお」さんのモノだった。
慌てて通話モードにする。「上手くつながって良かった」と「のりお」さん。
私は「今、仕事中だよね」と心配そうに聴いた。「半分予習で半分自己啓発だから」大丈夫ですよ。と、彼は優しく私を、慰めた。「ゆづおさんに悪い事したね」すまないと謝る「のりお」さんに私は、本当の事を話してしまった。驚く「のりお」さん。「つまり、まきさんは異類婚の人なの」だから、あんなに無防備なのか?と思い出した様に「のりお」は言った。「兎に角、頭がぱにっくしそうだから、今日はもう電話切っても良い?」と一生懸命声を発した。
「まきさんエロいよ」と笑った。
「のりお」さんはこう言って通話を切ろうとした。
「SMSメールをください」此方のあいまあいまに見ますからと笑ってくれた。「ありがとう」と思った私は「またね」と笑って通話を切った。出来てしまった、つながりに、思っていた様な恐怖ではなく、あたたかい真心を感じると、私はリラックスルームを後にした。こんな時に痴漢や犯罪者に会いません様に、と物騒な現実を「りある」に体感しながら、大丈夫だと想える道を暗いな怖い人に会わないといいなと想いながら、家路を急ぐ。大社と廃寺に隣接した単身赴任先の自宅へと足を速める。私は漫画を描きたかったから、自治会には参加していない。だから、近所づきあいはほぼ無いのだが、姉が飲食店のオヤジに私が「餓死か?孤独死してないか」見てやってください。と、勝手に合鍵を渡しているから、変な営業を毎日毎晩されるが、私の事故死は少し間逃れたのだと想える。住宅街の町の灯りが、見えてきた。私は後もう少しと恐怖心と闘って帰路を急ぐ。もうオヤジの店も、店じまいしている。そんなに、遅くまで待つたのだなぁと我ながら感心した。兎に角、裏道の暗がりの公園辺りを迂回して、オヤジの飲食店の登り坂を登って行けば、我家だ。家に無事についたら、何をメールしよう。こんなに遅くまで、頑張っているなんて、真面目で、カッコいい人だなと私ですら想った。私なんか「法律の勉強が出来ない壊れた脳」を、振りかざして、漫画の事ばっかり考えているからな(笑)と自分で、ウケる。
そんな事考えていたら、自宅に無事に着いた。嗚呼何も怖いことなくて良かった。と、はしゃぎながら、携帯を見ると、「今、休憩中です」と何通もSMSメールが、お返事ください、とばかりに届いていた。うれしくて、また待たせたことを申し訳なくって。
何を書こうか?と悩んだ。とてもとても。
やはりハラスメント野郎の対策が先なんだけど、彼「のりお」さんには、素敵な良い人がいるかどうか判らない。だけど私達は飲食店※※※※で意気投合するのならば、多分多くの女性を知らず知らずのうちに泣かせてるのだろう(汗)
私もその一人にならない様に、頑張って私だけにしか出来ない「まき」を、見てもらって飽きない仲になろうよと思う。実は「ゆづお」という婚約者がいながら私は漫画やラノベ以外にもアニメにも、きゃいきゃいミーハーしてる。サンジやルフィがお気にいりだし、オールマイトや轟少年爆豪少年ほか色んな個性の少年達にミーハーしてる。
そんな一面を、知られたら「どん引き」するかな?でもカッコつけたニセ物の私より、本当の私を知ってほしい。だからこそ「何から話せば良いのか」どきどきする私がいた。



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