real face

RYUZAKI工房、再び

RYUZAKI工房に到着。

「あれ、降りないんですか?」

「その前に、電話して。龍崎さんに」

「私がですか?」

「そう、蘭さんが。あの人、俺よりも蘭さんと話したいみたいだから。ほら、早く」

もう……。
化粧直している間に掛けてくれてたら良かったのに。

「もしもし。私、シャイニング教事1課の蘭と申します……」

応接室に通されると、貴浩部長が待っていた。

「早かったね。さっき電話あったからもう少しかかると思ってたのに。お蔭で休憩が後回しになったよ。ちょっと待ってね、作業場に連絡しとくから。もう来た!って慌てるだろうけどね」

……ほら、佐伯主任。
みなさん慌てていらっしゃるじゃないですか。
佐伯主任を横目に見てみるけど、涼しい顔したままだ。

「さて、じゃあ作業場に移動しようか。あ、そうだ佐伯さん。昨日はお疲れさま。遅くまで大変だったんじゃないの?」

「龍崎さん、その話はもう……。大丈夫ですよ、仕事には差し支えありませんから」

昨日って、佐伯主任は法事だと言っていたけど。
貴浩部長って親類関係なのかな?

作業場では、完成間近の試作品を見せてもらいながらの議論が繰り広げられた。

さすが佐伯主任。
貴浩部長にも怯まず、堂々とした態度。
思わず見惚れてしまいそうだ。

そんな私をチラチラと見てくる貴浩部長に、私も怯まないように表情を引き締める。
メモを取りながら話についていくのに必死。
だけどそんな中でも疑問点については、そのままにせずにその都度質問するようにした。

貴浩部長も佐伯主任も、そんな私を邪険にせず、話を中断させてでも分かりやすく教えてくれた。
現場での議論だからこそ、得られる知識もあるんだ……。
私ももっと勉強しないと。
主任のパートナーとして恥ずかしくないように。



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