real face
なつみんと同じ和風ハンバーグランチのプレートを持って私たちのテーブルのそばに立っているのは、宮本課長。

「み、宮本課長、お疲れさまです!お昼今からなんですか?」

「こんにちは有田さん。そうなんだ今から食べるんだけど、席がほぼ埋まってる状態で。それより、その女子会に俺も参加希望なんだけど」

「課長。あなたが来たら女子会じゃなくなるんですけど」

「ははは蘭さん、面白い事言うね。いいじゃん俺が奢るからさ。お祝いなんだろ?人数多い方が楽しいじゃないか。ねえ、有田さん」

「あ、はい。そうですよね。楽しいと思います!ね、まひろん!」

な、なんでそうなるの?
イチにぃがいたら、ガールズトークなんてできなくなっちゃうのに!!
なつみんも満更でもなさそうな感じだし……?
もう!イチにぃの奢りなら遠慮なんてしないんだからね!!

「なつみんごめん!今日は急ぎでやっつけないといけない仕事があるから、先に行くね。課長、ここどうぞ座ってください」

「お、サンキュー。急ぎの仕事って、佐伯からの指示か?うまくいってるようでなによりだな」

どこが!?
叫びたかったけど、イチにぃは一応上司だし。
なつみんもいるから、思い止まった。

「2人で来週の計画、立てておいてください。じゃなつみん、またね!」

「まひろん、あとでメールするからね!頑張って!」

急いでトレーをカウンターに返して、2人の座っているテーブルを振り返る。
ん………なんかいい雰囲気なんじゃないの?
そういえば、なつみんは経理部だったよね。
イチにぃは、元・経理部課長。
そっか、つい最近まで直属の上司と部下だったんだ。
だからか……いやでも、それだけじゃないような感じがした。
あの2人、もしかしたら?

いけない!早くしないと、佐伯主任からの"今日中に"って指示されてる資料作成が!
意地でも頑張って、デキる女ってことを見せつけてやるんだから!!



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