real face
「だから、みんなにも報告できて良かった。新くん、信くん、あかりちゃん…。私が一弥さんの彼女だと認めてくれるかな…?」

「あたし、大賛成!イチにぃもなつみんも大好きだもん!!」

あかりが立ち上がって両手を勢いよく挙げ、バンザイのポーズでにっこり笑った。
新と信がお互いに顔を見合わせ、アイコンタクトを取っている。

「信、ほら!」

新が目配せすると、それを受けた信が口を開いた。

「俺は、なんていうか…。俺たちだってさ…………。う、うぁぁもう!言葉が出てこない!無理だ、新。やっぱりお前が言え!」

「……ったく。だから、俺たちだって別にダメだなんて思ってないよ。なつみんが幸せだったら何も言うことない。なつみん、イチにぃのことをよろしく頼むよ」

「そう、それが言いたかったんだ!さすが新。イチにぃ!なつみんのこと泣かせたら許さないからな。……良かったな、おめでとう」

なんだかんだ言っても、イチにぃのことが大好きなんだからね。
新も信もあかりも、私も。

「ありがとう、みんな。はぁ~実は緊張しちゃったんだ!ホッとしたぁ」

「菜津美のことは俺に任せろ。お前らも可愛い彼女ができたら、紹介しろよ!」

「俺らより姉貴が先だろ!」

「あー腹へったよ。さあ焼こうぜ、信」

今日はお好み焼きパーティー。
新と信が張り切って準備したから、焼くのも任せよう。

この前、担任の先生の家に遊びに行って来た2人。
そこでご馳走になったお好み焼きに、すっかりハマったらしい。

お土産にたくさん持たせてくれた、お好み焼き…美味しかったなぁ。
容器をただ返すだけじゃつまらないから、中に手作りのパウンドケーキを入れて返した。
あかりと一緒に作ってお母さんにも持って行ったんだよね。

「これもう返していいのか?」

「イチにぃ、触るんじゃねーよ!もう少し焼かないと崩れるから」

「あかりも引っくり返したい!」

「ダメダメダメダメ、コツがいるから難しいの!大人しく待ってろよ」

ワイワイと騒がしいけど、みんなで食べるお好み焼きってこんなに楽しいんだな。

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