【B】箱庭の金糸雀 ~拗らせ御曹司の甘いぬくもり~


「お帰りなさい、光輝」

「ただいま如月。
 いらっしゃい、星奈ちゃんと陽奈ちゃん」

「お邪魔してます。
 お義兄ちゃん」


光輝は輝真を抱きしめたまま、
自分の部屋へと移動していく。


アタシも二人の後を追いかけるようについていって、
輝真を預かると光輝は、着替えを始めた。


「最近、帰ってきてくれるの早いのは嬉しいけど、
 仕事、大丈夫なの」

「大丈夫、大丈夫。
 早く帰って、輝真に会いたいだろ。

 俺は輝真に会いたいし、如月は少し育児から休憩できるだろ。
 育児休暇ってわけには今は行かなかったけど、
 率先して育児に部下が協力できるように、
俺が今から動いておきたいなーって。

 作業効率も上がるし、プライベートの時間は増える。
 一石二鳥だろ」


そう言いながら、光輝はアタシと輝真を包み込むように抱きしめた。



「失礼いたします。
 皆さま、お食事の支度が整いました」



三橋はそう言って、アタシたちに声をかけた。


本当はご飯迄自分で作れる方が、完璧なのかもしれない。
だけどアタシは、三橋の優しさと光輝の優しさに甘えさせてもらってる。


今出来ることを少しずつ。

そうやって、
今を噛みしめながら歩いていけばいい。




幸せの宝探しを、
アタシの隣で支えてくれる極上旦那様と、
可愛らしいアタシたちの天使、輝真と共に。



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