【B】箱庭の金糸雀 ~拗らせ御曹司の甘いぬくもり~




「さて、無事に婚姻届の記入が終わったところで、
 せっかくだから、如月さんにも蒔田さんにも見ていただきたいのよ。

 結婚式でのお衣装も、Kiryuさんにお願いしたいと思って、
 デザインをお願いしてましたの」


そう言って母が楽しそうに封筒の中から、デザインされた五種類のウェディングドレスのイラストを並べていく。



その後も、一綺のお母さんがデザインしてくれた五枚のデザイン画を見つめながら会話を弾ませ、
俺たちは一時間後、市役所への入籍手続きの為、家を離れた。


聖仁が運転する車に乗り込んで向かう道中、思わず如月の髪に手を伸ばして撫でる。
そんな俺の反応に驚いたように、如月を俺を見つめた。

半年を過ぎて少しずつ動き出した俺の時間。
時計の針が動きだすと、如月への想いも強く溢れ出す。

市役所の市民課で婚姻届を提出した俺たちは、
その日から夫婦となった。









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