【B】箱庭の金糸雀 ~拗らせ御曹司の甘いぬくもり~

10.孤独と孤高 ~傷を抱く形 ~ - 光輝 -



役所に出向いて婚姻届を提出した俺たちは、
はれて夫婦となった。


夫婦となって初めて出掛けた先は、
系列ホテルでの結婚式場の下見とプランニングだった。


聖仁が運転する車に乗り込んで向かったホテル。
そこにはすでに支配人がエントランスに姿を見せていた。


「いらっしゃいませ。光輝様、若奥様。
 お待ちしておりました。

この度は、ご入籍おめでとうございます」


丁寧にお辞儀をして出迎えてくれたのは、
幼い頃より良く知っている北村だった。



「如月、こちら、ここのホテルの支配人で北村さん。
 俺にとっては小さいときからお世話になってる人」


あえて呼び捨ての形で名前を紡いで支配人を紹介する。


「初めまして。
 如月と申します」


如月は、ただ小さく名前を紡いでゆっくりとお辞儀をした。


「当ホテルの支配人の北村でございます。
 如月さま、今後とも宜しくお願いいたします。

 それではブライダル部門の責任者の元へとご案内いたします」


そう言って北村は、俺たちを誘導するように案内を始めた。


エレベーターにて移動した俺たちは、
案内された部屋へと踏み入れた。

そこは室内にありながら開放感あふれる、
青空が一望出来るチャペルだった。


「高村、光輝様と如月様がお着きになられました。
 後はお願いします」


北村に引き継がれて高村と紹介された女性が俺たちの傍に来ると、
支配人は一礼して自分の仕事へと戻っていった。


「この度は、おめでとうございます。

 お二人の門出のお支度に携わらせていただきます、
 ウェディングプランナーの高村と申します。

 宜しくお願いします」


高村はそう言って俺たちに会話を切り出すと、
打ち合わせ用のテーブルへと案内した。

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