【B】箱庭の金糸雀 ~拗らせ御曹司の甘いぬくもり~


真梛斗……。






ごめんなさい。
アタシがあんなことを言ったから……。




このピアスがなくなればなんて、一瞬でも想っちゃいけなかったんだ。
優しい真梛斗が消えないはずないじゃん。





何してるんだろう。



アタシ……。




ちゃんと探しに行かなきゃ。
ちゃんと謝って、真梛斗に許してもらわなきゃ。



アタシだけ、幸せになろうとしちゃいけないんだよ。



真梛斗に愛された深さを忘れて、
新しい恋なんてしようとしてたアタシが馬鹿だったんだよ。



出口のないまま、アタシは無限ループにはまり込んでふらふらと、アイツと何度か来たことのある海へと来ていた。



シャワーを浴びた後、どこをどうしてこの場所まで辿り着いたのかはアタシ自身も覚えてない。



だけどアタシは今、真梛斗と来たことのある海へと辿り着いていて、裸足のまま砂浜をふらふらと歩いてる。



この海の向こうに……、果てない混沌の海の先に真梛斗が居るなら、
アタシはアタシの罪を洗い流して、真梛斗の元へと向かうから……。





……真梛斗……。
< 55 / 115 >

この作品をシェア

pagetop