ディモルフォセカの涙
第三章 壊れゆく
残る赤い花印
ねえ、彼方----あなたは、わたしを助けてくれない?
開かれた扉の向こう側に広がる景色、見慣れた街並み。だけど、私はそれをつい最近まで知らずに過ごしていた。
そう、ここは実花さんの住む部屋の前、私はここから昇る朝日・太陽をもう幾つ見ただろう?
時は、師走・12月----以前、購入したセーターの上にジャケットを羽織る、私。
「クシュン」
「ユウ、風邪引いちゃった?」
「ううん、大丈夫」
「本当?気をつけないとダメだよ
昨日寒かったんじゃない、お布団……」
私のことを心配してくれる実花さんの傍で、私はある日のことを思い出していた。
彼方と並んで歩く通学路。空を見上げながら、私は言うの。
『´フウァー´
カナタ、いい天気だね
学校なんて行きたく、なっ
´クション´よね?』
『ユウ
あくび(欠伸)かクシャミ
どっちかにしなよ』
『あくびぃ、してないよ』
『うそつけ』
じろっと私へと向けられた彼方の視線に、私は何故かトキメクのだった。
「ふふっ」
「ユウ、どうかした?」
「ううん、ミカ
ミカってばそう
お母さんみたいだなぁと思って」
開かれた扉の向こう側に広がる景色、見慣れた街並み。だけど、私はそれをつい最近まで知らずに過ごしていた。
そう、ここは実花さんの住む部屋の前、私はここから昇る朝日・太陽をもう幾つ見ただろう?
時は、師走・12月----以前、購入したセーターの上にジャケットを羽織る、私。
「クシュン」
「ユウ、風邪引いちゃった?」
「ううん、大丈夫」
「本当?気をつけないとダメだよ
昨日寒かったんじゃない、お布団……」
私のことを心配してくれる実花さんの傍で、私はある日のことを思い出していた。
彼方と並んで歩く通学路。空を見上げながら、私は言うの。
『´フウァー´
カナタ、いい天気だね
学校なんて行きたく、なっ
´クション´よね?』
『ユウ
あくび(欠伸)かクシャミ
どっちかにしなよ』
『あくびぃ、してないよ』
『うそつけ』
じろっと私へと向けられた彼方の視線に、私は何故かトキメクのだった。
「ふふっ」
「ユウ、どうかした?」
「ううん、ミカ
ミカってばそう
お母さんみたいだなぁと思って」