365枚のラブレター
(歩side)
クララと同じクラスになれた!
今まで
クララと学校帰りに公民館に行って
子供たちと遊んだりしていたが
ここ2か月はそれもなくなり
まともに話せる時間が減った
それが
同じクラスになったんだから
一緒にいれる時間が増えるじゃん!
本当に嬉しい!!!
「歩!同じクラスになれたな」
「陽太と同じクラスなんて
小学校以来じゃん
これからもよろしくな」
「それにしても歩の彼女のクララちゃんって
男子に人気あるよな」
「へ?」
なんじゃそれ!
男子から人気?
クララが?
「知らなかったのか?
3年の先輩たちの中で
『心を癒すナースちゃん』って
呼ばれてるらしいぜ」
心を癒すナースちゃん?
俺は全く気付いていなかった
「クララがナースって・・・」
「クララちゃんってさ
いっつもニコニコしてて
弱気になると大丈夫!って
元気づけてくれるじゃん
俺もこの前彼女にフラれたときに
男らしくないって言われたの聞いてたみたいで
『陽太君のほんわかした雰囲気がいいのにね』
だって
お前の彼女じゃなかったら惚れてたわ~」
クララはそういうところがあるんだよな・・・
みんなに優しい言葉をかける
人それぞれの良いところを見つけて
褒めてあげる
俺も
そんなクララに惹かれて
尊敬してきた
でも俺が求めているのはそんなことじゃない!
クララを俺だけのものにしたいし!
俺だけを見て笑いかけて欲しい!
俺は贅沢すぎるのかな・・・
俺にとって
たまにクララに会いに来る琉生も目障りだ
「クララ!」
「琉生君」
「今日バイト早めに来れないかって
奏多さんからライン来たけど・・・」
「何かあったのかな?」
「美紅さんが、2号店を手伝いに行くんだって」
「5時なら行けそうって、伝えてもらえる?」
「良いけどさ、クララもスマホ持てよ!
俺がいっつも連絡係じゃん」
「そんなこと言われても・・・
スマホ代払えないし・・・」
「わかってるよ!
それにしてもさ
奏多さんって、毎日何かやらかすよな」
「琉生君が奏多さんに
ちょっかい出すからでしょ」
「そんなんで
しょうゆのボトル倒すと思わないじゃん、普通」
アハハとクララの笑い声が
離れた場所にいる俺の耳にも聞こえてくる
「あゆ君、大丈夫?」
「え?」
「琉生君と仲良しなクララさんを見るのが
辛いんじゃないの?」
俺が嫉妬しているのが
さやかにはわかったらしい
「べ・・・別に・・・
そんなこと思ってないけど・・・」
嫉妬している俺自身が情けなくて
自分の本心を隠した
「私なら、歩君にそんな顔させないのに・・・
大好きな人以外
全く興味がないからさ
恋愛って
そういうもんじゃないのかな・・・」
『大好きな人以外、全く興味がない』
『恋愛って、そういうもの』
確かにそうだよな!
俺もそう思う!!
紗耶香は、俺だけを褒める
俺だけに微笑んで
俺が正しいって慰めてくれる
俺のために綺麗になろうと努力してくれる
俺さえいればいいって言ってくれる
でもクララは違う
俺が誰かに怒っていても
その誰かの気持ちまでくみとって
俺が正しいなんて言ってはくれない
人それぞれ
考え方が違うからって言って
俺だけにじゃなく
誰にでもニコニコ微笑む
誰かの良いところを見つけたら
それが男であっても
『あの人のこんなところ素敵ね』って
俺の前で褒める
たまに思ってしまうことがある・・・
彼女がクララじゃなくて
紗耶香だったら
俺はもっと幸せなのかもしれないって・・・
は!!
何を考えてるんだ!俺は!
クララと永遠の愛を誓うまで
あと3か月しかないんだぞ!
俺が裏切ったら、
クララはこの世から消えてしまうんだぞ!!
チャペルで指輪を渡した時には
純粋にあふれていたクララへの恋心が
今は
クララを好きでい続けなければという
呪縛となって
俺を縛りつけていると感じてしまう時がある
こんな気持ちのまま
俺は
クララを永遠に
愛し続けられるのだろうか・・・
そうだ・・・
少しクララから離れよう・・・
俺は遊園地での
バイトを始めることにした