365枚のラブレター
琉生君に連れて来られた場所は・・・
食堂だった
学校で多くの人が利用しているこの場所
昨日の文化祭で
彼氏に振られた有名人の私と
ちょっと俺様系で
人気のイケメン琉生君が一緒にいて
目立たないはずはない
「なんで、わざわざ人の多い食堂なの?」
「ん?
だってここにいれば
俺たちが付き合ってるって
勝手に思ってくれるだろ
自分から言わなくてもいいから楽じゃん」
・・・・
私はただ
歩君にアピールしたかっただけ・・・
私にも彼氏ができたから
私のことは気にせずに
紗耶香さんと付き合ってねと・・・
でも現実は
そんな天使みたいな
優しい自分にはなれなかった
教室でのラブラブな二人の声が聞こえるだけで
心が締め付けられる
歩君の隣にはやっぱり私がいたいって
思ってしまう・・・
「琉生君・・・
私をあの教室から連れ出してくれて・・・
ありがとう・・・」
私は知らぬ間に、涙が頬をつたっていた
ガバッ!
え?
何が起こったの?
琉生君は
座っている私の後ろから
抱きしめてくれていた
「お前、よく耐えてるよな」
耳元で優しくささやく琉生くんの声が
私の心をふわっと温かくしてくれる
「お前はもっと、人に甘えた方が良い
辛いときは辛いって吐き出した方が良い」
「そんな・・・
人に迷惑かけれない・・・」
「そんなの迷惑でもなんでもないって
それに俺だったら
お前に甘えてほしいって思うけどな」
え?
私に甘えてほしい?
それって、どういう意味?
「弁当食べる時間なくなるぞ!
せっかく俺が作ってやったのに」
「すごーい!
琉生君のお弁当、
ブロッコリーやトマトも入ってカラフルだね」
「奏多さんの唐揚げと
どっちがおいしいか、感想言えよ」
パクリ
「・・・奏多さんかな?」
「は?
お前の舌、おかしいんじゃねえの?」
「アハハ
うそ、うそ
琉生君の唐揚げの方がおいしいよ
私が今まで唐揚げで、一番おいしい」
教室では、あんなに落ち込んでいた私の心が
琉生君との何気ないおしゃべりで軽くなった
「琉生君、ありがとう
私、このまま歩君のことを
忘れられたらいいな」
「お前、笑ったら結構可愛いんだから
もっと笑ってろよな」
あれ?
琉生君の顔が赤くなったような?
気のせいかな
こうして私と琉生君が付き合っているという
偽の情報が
学校中に知れ渡った