高校生マフィア
にやあ

ルーマス・デラクールの顔がいやらしく歪(ゆが)んだ

「それが偽の情報といのは、もう分かっている」
「…な…に…ッ!?」

動こうとすると、大人の男が後ろに3人も居た
体の自由は失われた

「残念だったな。君の名前はアサヒじゃない。藁間 雪姫。そうだろう?」
「………ッ」

ぎりっ

歯ぎしりをした
どこから――?

「こんなにも美しいのに、標的の一員では仕方ない。しばらくは牢に入っていてもらう」

後ろから、鼻に黒いハンカチが押し付けられた
これは――

やばい

「ッ放せ…ッ!!」

警視総監の父親を持つ私は、このドラマのような展開が現実にありえるということを知っていた
このままいけば、私はこのハンカチに染み込んだ睡眠薬によって、当分は目を覚まさない
















「雪姫ェェェッ!!!!」

薄れる意識の中で
私の名前を呼ぶ大きな叫び声が聞こえた
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