高校生マフィア
行動開始
「はー……」

しばらく座らなかった日本支部の執務室の椅子に座った
イタリア支部よりも少し固い気がするけど、気にしないことにしよう

「…始まっちゃったなぁ」

机の上に置かれた書類をぱらぱらとめくった
6人のプロフィールと、今回最大の敵ファミリーのほんの少しの情報

始まった。現役高校生とマフィアとの対決が
少しだけ、一般人と同じ平凡な日常を送っていた普通の高校生6人の運命を、こんなマフィアのボスが捻じ曲げてしまったことに罪悪感があった

彼等の中で、将来、人の命を消すことになるのは何人?
彼等は俺の力で、裏社会から身を引かせることができるのだろうか

裏社会最強と謳(うた)われる格式と伝統を持つファミリーのボスでも
先代と比べて随分(ずいぶん)早くにボスになった俺には難しい問題


Piiiii

「!!」

我に返ると、机の上の俺のケータイが鳴っていた

「もしもし?」

受話器の向こうから、声が1つ

《柴崎です。明日から敵を潰しにかかります》

絶対敵に回したくない頭脳を持った、天才戦略家の彼からだった

「…やっぱり早いね。うん。よろしくね」
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