高校生マフィア
「…あれ、爽樹」
「あ…陸」

家のドアを開けようとすると、隣の家のドアが開いて陸が顔を出した
陸がちょっとだけ気まずそうに言葉を濁した

「あ、えーっと…」
「…陸、全然気ぃ使わないでいいからっ!!」
「そ、そっか…?」
「うん!あたしが決めたんだし!!陸が気まずそうにする理由が見つかんないじゃん!!」
「そっか。じゃ、遅かったな!」

ニコッと陸がいつもの笑顔に戻った
よかったぁ

「うーん。雪姫とずっと喋ってたからかな」
「女子って何時間でも喋ってられるよなー」
「ドリンクバーあれば無敵です(笑」

うーん。やっぱ日常会話が1番だね
さっきの緊迫(きんぱく)した雰囲気は合わないや

「あ、そうだ。明日は新人戦だってな」
「春樹に聞いたの?うん!明日は勝ちに行くよ!!」
「そっか!俺、練習あるから午前中は行けないけど、午後は観に行くな!」
「ホント?じゃあ午後の決勝まで負けられないね☆」
「頑張ってな!じゃ、今から海と買い物だから」
「ありがとー!」

あたしも、ばたんとドアを閉めた
壁の向こうからお隣さんの武道最強兄弟の会話が聞こえてきた

「兄貴ー!俺のダウンどこだよー?」
「あーっと…母さんが海の部屋に置いてた…気がする!」
「あっそ…」
「海ー。もー電車来るから急げよー」
「わぁってるって!!ちょ、兄貴先に行くなよな!!」

「…ふふっ」

仲良しだなぁ。陸と海
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