一生一緒
ホームルームが終わったあと確かに伯が言った通り半分ほどの生徒が立ち上がって教室を出ていった。




私は一気に減った生徒達にホッとしつつまた鞄から本を取り出して読もうとする。





「ねぇねぇ!なに読んでるの~?」





「……」




「ねぇねぇ!どこから来たのー?」




「……」




「ねぇねぇ、僕たちの話聞いてる~?」




「聞いてないよねー?」




私は溜め息をついて目線を上げる。




机を挟んだ反対側にそっくりな可愛らしい顔をした男が二人座り込んでこちらに話しかけていた。




双子のようだ。




だけど双子って普通教室別々になるんじゃない?なんで一緒なんだろうと顔には出さないが少しだけ考える。





見分けは出来ないからこの気配でどっちがどっちって見極めるしかないのか




などと考えながらもまた視線を本に戻す。




双子は諦めずにずっと話しかけてくるが清々しいほどの私の無視に諦めて教室を出ていった。




残っている回りの生徒たちがざわざわと煩い。




私はいつものように全ての音を聴覚からシャットダウンして本の世界へと飛び込んだ。
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