一生一緒
所謂政略結婚なのだろうかと考えていると胡桃が可愛らしく笑って私の手を握る。





「私が無限に一目惚れしてパパに頼んで婚約の話を出してもらったんだ~」






嬉しそうに言う胡桃だが私は意外に思った。





可愛らしくて守られて育ってきたと丸わかりな胡桃にそんな行動力があるとは思わなかったからだ。






「す、凄いな。一目惚れで婚約までもっていくって」






「こいつはキモいからあんまり関わんな。」





棗が胡桃の手から私の手を外しそのまま私の手を引っ張って自分の席に座り私をその上に座らせる。






「キモいなんてお兄ちゃんは照れ屋さんなんだから!」





全く傷付いていない様子の胡桃に私は思わず笑ってしまった。





この兄妹はなんて正反対な性格を持っているんだろう。



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