一生一緒
怪しい雲行き
10月。





もう秋になったと言うのにまだまだ暑い日々。





教室の机でグッタリと暑さに耐える。





いつもはクーラーをつけてくれる伯が今日は居ない。




研修か何かだそうだ。




数人の女子生徒と他愛ない話をしていると環が迎えに来た。





「美幸ちゃーん!!お待たせ!さぁ、行こう!」





環に呼ばれ席を立つ。





一緒に居てくれた女子生徒たちにお礼を言う環。





教室を出ながら


「…美幸ちゃんのお化粧講義のお陰で最近クラスの女子がまともに見えるようになったよ」





少し失礼な言い方だが笑ってしまう。





「元は綺麗なんだよ、みんな」





「美幸ちゃんには及ばないでしょ」





なんてお世辞を言う環。





「そう言えば、何かあったの?」




「え?」





明らかにギクリと挙動不審になる環。





「斎も敏次もいないから何かあったのかと思ったんだけど」





続ける私に環は首を振る。





「ごめん、僕からは言えないんだ。棗の許可がないと」





どうやら難しい問題のようだ。
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