アラフォー×バツ1×IT社長と週末婚
「うん、とっても。」

「それはよかった。」

甘い声が、私に降り注ぐ。

ああ、幸せ。


って、ちょっと。

「もう、五貴さん!私は林さんと暮らしてる訳じゃないのに!」

少しだけ、怒ってみる。

「ごめん、ごめん。週末には、ゆっくり二人で過ごせるから。」

怒ってみたのに、そんな事言われたら、また許してしまう。

「五貴さ~ん!」

「甘えん坊だな、つむぎは。」


すると外から、ガヤガヤと言う声がした。

「おっと、内本君が帰って来た。」

五貴さんは、私との関係を知られたくないのか、私を体から引き離した。

「これはこれは、折橋社長。」

「お久しぶりです。」

引き離された私を他所に、社長同士の懇談会が、始まって行く。


「ちょっと!水久保さん!」

内本さんの声にならない声が、聞こえてくる。

「会議の資料、作り終えた?」

「あっ……」

「もう!何やってんの!もう少しで社内会議、始まっちゃうじゃない!」
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