アラフォー×バツ1×IT社長と週末婚
「でも、私……半年前の就職活動では、全く正社員になれなかったし。」

「時期があるのよ、時期が。」

「自分が、仕事できる人間だなんて、思えないし。」

「自分で思ってる人なんて、大抵勘違い野郎よ。」

はははっと、柳井さんと一緒に笑った。


「あーあ、元気出ました。有難うございます、柳井さん。」

「ううん。頑張れ!」

「はい。」


話をしている間に、午後の始業まで、あと15分を切った。

その時間になると、市来さんがのんびり、外のランチから帰って来る。

「お帰りなさい。」

私が声を掛けると、市来さんはお財布を胸の前で持ちながら、目をパチパチさせていた。

「あれえ、水久保さん。ちょっと見ない間に、顔明るくなったぁ。」

「ちょっと見ない間で、ほんの40分ぐらいですよ。」

何を言い始めるんだと思ったら、柳井さんもクスクス笑いだした。

「ううん。ホント、顔色良くなった。」
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