アラフォー×バツ1×IT社長と週末婚
「大体ね、市来さんはいつも、たるんでるのよ。水久保さんを、少しは見習ったらどうなの?」


私を見習う!

柳井さん、さっきの言葉はウソじゃなかったんだ!

私は心の中で、手を合わせ嬉しで、胸がいっぱいになった。


「そんな事言ったって、真面目に仕事してればいいってもんじゃないないじゃない。現に水久保さん、契約切られ……」

「ちょっと!」

二人が私を見て、”しまった!”って顔をしている。

私の中で、嬉しさがだんだん、しぼんでいく。


真面目に仕事しているだけ。

それが、私の周りからの評価。

そうか。

だから、人事部の部長も、私の契約を切ったんだね。


「あの、水久保さん?」

市来さんが、私の顔を覗く。

「大丈夫?」

柳井さんも、私の顔を覗く。

私の顔はと言うと、鏡は見てないがたぶん、ものすごく引きつっていると思う。


「水久保さん、元気出して!真面目は長所だよ!」
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