アラフォー×バツ1×IT社長と週末婚
「は……は、はい。」

ここでも、真面目だけが取り柄って言われた。

もう、立ち直れない。


私は、がっくり肩を落としながら、自分の席に戻った。

今まで自分が真面目だなんて、思った事なかった。

一生けん命に仕事をして、それが評価されてるだけだと思っていた。

それが、真面目”だけ”なんて、言われるなんて~!

無意識に、私は自分の机に、倒れ込んだ。


「ど、どうしたの?水久保さん!」

柳井さんが、私の体を揺らす。

「わっ!水久保さんが、倒れてる!」

市来さんも、隣で驚いている。

「放っておいてください。ちょっと、立ち直れません。」


目を瞑ると、今までの人生が、走馬灯のように流れて行く。

勉強を頑張ったのも、いい大学に入ったのも、なかなか就職が決まらなかったのも、ブラック企業で体を壊したのも、全部私が真面目だから?


真面目が憎い。

こんなにも、真面目と言う言葉が嫌いになった事は、なかった。
< 19 / 255 >

この作品をシェア

pagetop