アラフォー×バツ1×IT社長と週末婚
私は柳井さんと向き合って、目を丸くした。


さすが、できる女。

同じ時期に、契約社員で入ってきたのに、もう正社員の話が出てるんだ。

「一緒に、正社員になれればいいですね。」

「いやあ。私は……」

直観だけど、そんな話ではないような気がする。


「いいなぁ。私も、呼ばれたい。」

髪をいじりながら、そう呟いたのは、可愛い子代表の市来さん。

「その内、市来さんもそう言う話、出るんじゃないですか?」

私は、さり気なくフォローを入れた。

「本当?」

睫毛バツバツの目でそう訴えられても、たぶんとしか、答えられない。


「じゃあ、行ってきます。」

「行ってらっしゃーい。」

二人の同期に見守られ、私は同じ階にある会議室へ、直行した。

ちょっとドアを開け、中をそっと見ると、人事部部長と、もう一人課長らしき人、二人で正面に座っていた。


「失礼します。」

「はい、どうぞ。」
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