アラフォー×バツ1×IT社長と週末婚
いつの間にか、スマートフォンを持つ手が震えている。

『で?どうしたの?こんな夜に。』

「う、うん。あのね、お母さん。」

何から話したらいいのか、頭の中が混ぜこぜになってきた。

こんなの初めてだ。


『どうしたの?言いたい事があるなら、言いなさい。』

「うん……えーっと……」

これから無職になる事を言うって、こんなにも言いづらいなんて。

「実は……」

でも、言わなきゃ!

これからの、生活の為に!

「……仕事、クビになって、新年早々無職になるんだよね。」

『えっ!!』


静まり返った空気が、電話を通しても伝わってくる。

『どうして、そんな事になったの。』

「分からない。たぶん、会社の都合。」

電話の奥から、母親のため息が聞こえてくる。

ため息なら、こっちがつきたいくらいだわ!


『それで?就職活動はしてるの?』

「これから。」

『そう。なるべく正社員でお願いするわよ。』
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