アラフォー×バツ1×IT社長と週末婚
そして私は、やってきたボロネーゼを食べてる間も、”週末婚”と言うワードが気になって気になって、仕方なかった。

だからかな。

960円もしたボロネーゼの味、全く覚えていなくて、そんな覚えていないパスタに、今の全財産を使ってしまった。

しかも帰りの景色も、全くただ流れていくだけで、どこを通って帰って来たのか、全く分からなかった。

「今日は、ご馳走様でした。」

「……はい。」

「また、会って貰えますか?」

「……はい。」

「その時は、僕がご馳走しますね。」

「……はい。」

なぜか茫然としていたら、折橋さんに抱きしめられていた。


「えっ?えっ?」

「突然で、驚いたかもしれないけれど、君と結婚したいって言う気持ちは、本当だから。」

心臓が、トクントクンと波打つ。

「一生、君だけだと誓うよ。だから、この話受けて欲しい。」

嬉しくて嬉しくて、私は幸せを感じていた。
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