アラフォー×バツ1×IT社長と週末婚
「そうだ。これ、俺の連絡先。」

スケジュール帳のメモ用紙に、携帯の番号を書いて渡してくれた折橋さん。

「ちょ、ちょっと!」

「結婚したくなったら、いつでも連絡して。」

「そんな用事で電話するなんて、有り得る訳ないでしょ!」

「じゃあね、つむぎさん!」

そして折橋さんは、リムジンで走り去ってしまった。


「はぁ?」

ただ一人、家の前で取り残された私がいた。


私が結婚?

しかも、来月には無職になるって言うのに、IT会社の社長と?


「有り得ない、有り得ない!」

いくら頭を振っても、折橋さんの優しそうな笑顔が、目の前から離れない。

「週末婚かぁ。」

私は、ため息をついた。

「それよりも、就職活動だよ。」

私は、折橋さんから貰った携帯番号の紙を、カバンの中に押し込んだ。
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