アラフォー×バツ1×IT社長と週末婚
そしてふと思い出す、折橋さんの事。

- 結婚しないか? -

そう言ってくれた折橋さんは、休暇なんてあるんだろうか。

社長だから、”休みたい”って言えば、いくらでも休める気はするけれど、責任ある仕事だから、なかなかそれも難しいとも思う。


そこでなぜか、不埒な考えが浮かんだ。

折橋さんと結婚すれば、求職活動なんて、しなくて済むんじゃないか。

私は、息をゴクンと飲んだ。

確か、折橋さんから貰った名刺が、まだあったはず。

寝転がったままゴソゴソと、カバンの中から一枚の名刺を取り出した。


折橋 五貴


名前を見ただけで、胸がドキンとするのは、なぜなんだろう。

私、やっぱり折橋さんに、恋しちゃったんだろうか。


- 結婚、しよう -


あの時の折橋さんを思い出して、余計にドキドキする。


- 週末婚だけどね -


「いやいや。」

余計な事まで思い出して、一気に気持ちも冷めた。
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