ポンコツ令嬢に転生したら、もふもふから王子のメシウマ嫁に任命されました
続いて案内された部屋も、とんでもなかった。

『ココハ、家畜ヲ、育テテイルヨ』

「は!?」

メルヴがコンコンと扉を叩くと、開かれる。そこは牧草が広がっていて、牛や豚、鶏などの家畜がゆったりのびのびと歩き回っていた。

ここでもメルヴ達が働いていて、家畜に水を与え回っている。

「ええー、何これ……!」

『牧草絨毯ト、太陽魔石ヲ、使ッテイルヨ』

「なんじゃこりゃ」

他にも、小麦を育てていたり、湖があったり、お菓子、パン工房があったりと、ちょっとした農村みたいな環境が宮殿の中に揃っていた。

「あの王子、なんで宮殿でスローライフしているのよ!?」

『商人を宮殿内に入れたくなかったようだ。必要な品々は、自給自足してやろうと』

「ええ、何ソレ」

『この宮殿は、奴の聖域なのだ。だから、お主の服を用意させるために、他人を宮殿に入れたことは驚いたぞ』

「はあ、さようで」

ありえないの一言だった。
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