ポンコツ令嬢に転生したら、もふもふから王子のメシウマ嫁に任命されました
「よし。元気になったから、そろそろ昼食の準備でもしようかな」

『やったぞ!』

「リュカオン、何か、食べたい料理はある?」

『ふーむ』

じっと、リュカオンが私を見つめる。記憶の中に存在する料理を探っているのだろう。

『“ぐらたん”、とやらが食べてみたいぞ』

「グラタンね。了解」

醤油やみりんを使用した料理は作れないので、グラタンのオーダーにホッと胸をなで下ろす。

宮殿の厨房にマカロニはないようだが、なかったら作ればいいのだ。

マカロニはイタリア発祥のショートパスタの一種で、日本では主にグラタンやサラダに用いられる。私はトマトソースと魚介のソースで和えたアラビアータにしたり、ひよこ豆のスープに入れたり、マカロニにチーズを絡めたシンプルなマカロニチーズにしたりなど、どんな料理にも使えるのだ。

マカロニ作りに必要なのは、セモリナ粉。粗く引いた穀物である。これを、ぬるま湯を入れつつ練るのだ。

手作りパスタ作りは、力仕事だ。しっかり練らないと、コシがなく、食べ応えのないパスタになってしまう。一瞬も、気を抜くことができない。

生地が仕上がったら、細い鉄に巻き付ける。引き抜いてほどよい長さにカットしたら、生マカロニの完成だ。
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