人生の待ち時間


結局、十五分近く遅れて待ち合わせ場所の駐車場に着いた。

「遅くなって、ごめん!!」

タカくんの車の助手席に座って、深々と頭を下げた。言い訳をしようかと迷っていたが、何も考えられずただ頭を下げた。

「うん、大丈夫だから。よし、行こう!」

いつもの優しい笑みを浮かべて、タカくんは車を動かした。

何も言われなかった事に、ホッとすると同時にちょっとモヤッとした。ギリギリになる事も多いが、待ち合わせ時間に、連絡もなしに遅れた事はない。

私が時間通りに来ようが遅れて来ようが、そんなのどうでもいい……まるで、タカくんにそう言われたような気がした。

ネガティブまっしぐらだったが、その時の私は気付けずに、悪い方にどんどん傾いていった。

明確な目的がある時じゃないと履かないジーンズを履いていても、特に何も言ってくれない。

私なんかが、足を出していようがいまいが、タカくんにとってはどうでもいい事のようだ。

今まで、できるだけミニスカートを履いていた事、その為にお肌の手入れとか太くならないようにとか、気を遣っていた事全部が、無意味だったように思えた。

それからも二回続けて、待ち合わせ時間に遅れた。タカくんは変わらず、優しい笑顔で迎えてくれる。どうして遅れたのかと、問い詰められる事もない。

私のモヤッとは、どんどん厚く濃くなっていく。こうなるともう、悪い方へと転がっていくだけだ。


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