捨てられる前に捨てましょう
アディとも和解出来たし、あとは結婚の日に向けてしっかりと準備を進めるのみだ。

王子とクラウザー公爵令嬢の結婚式は盛大なものだから支度も大変なのだけれど、悩みが減ったせいか苦労には感じなかった。

ウエディングドレスは、最高品質のシルクで仕立てたもの。ロングトレーンが豪華で華やかだ。

我が家の家宝であるティアラに合わせて新調した装飾品。

結婚後にはお茶会、夜会などの招待が殺到するだろうから、その時に着て行くドレス。

今までのものより人妻に相応しい落ち着いたデザインのものを中心に選んだ。

屋敷の改装も進んでいた。私は今まで使っていた私室を出て、新しい夫婦の部屋に移動する。

同じ屋敷と言っても荷物の移動は結構手間がかかるが、殆どルイザの指示のもと、侍女たちが行ってくれている。

そのルイザが大きな箱を両手で持ち、溜まった手紙を読んでいた私のもとに近付いてきた。

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