君の声が聞きたい
私のために辛い思いなんてさせないからね。
私………忘れてた。
私はお父様の命令だけを聞いてればいいんだって。
だから離れるよ、初めてできた大切な友達だから。

「………琴音?」

「………っ」

私は隼人君から離れた。
そして………私は保健室から出ていった。

「ごめんなさい、隼人君。そしてありがとう………」

最後の最後まで私の友達でいてくれて。
そして数分後、お父様と大倉さんが私を迎えに来た。

「琴音………」

「お父様、すみません………わざわざ」

「嫌、気にするな。体の体調はもう平気なのか?」

「………いえ、ちょっとまだ………。さっきまで寝ていたんです。それで………また夢を見たんです」

あの人は何者なんだろう………。
調べてみたいけど名前すらわからないから調べようがないし………。

「琴音っ!」

私を呼ぶ声が聞こえて私はとっさに振り返った。
そこにいたのはさっき別れたばかりの………隼人君が立っていた。

「………隼人くっ」

「きさま、神木鷹斗の弟の神木隼人だな!?」

「………やっとお目見えか………っ」

「お父様?隼人君?」

二人とも様子がおかしいし!
しかも神木鷹斗って誰?
神木だから隼人君のお兄さんか弟さん?
でも隼人君はそんな事一言も………。

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