君の声が聞きたい
言ってないじゃない………っ!
鷹斗………鷹、斗?

「琴音、俺の兄さんのこと忘れたの?」

「えっ………?」

お………兄さ、ん?
隼人君のお兄さん………。

『琴音………っ!』

頭がひどい頭痛に襲われた。
なんだろう………何かがーっ!

『琴音………、俺を一人にしないで!』

「俺の兄さんの元に戻ってきてよ!兄さんには琴音が必要なんだよ!!」

どういうこと?
話が………何を言っているのか理解できない。

「………っう!」

な………に?
視界が………。

「琴音に変なことを吹き込むな!」

「変なことじゃない!本当のことだ!!」

「琴音は昔から誰とも関わってない!」

やめて………っ。

「琴音を苦しめているのはあんたなんじゃないのか!?」

「そんなわけないだろう!?お前らがうちの娘を苦しめてるんだろ!?」

お願いだから………

「やめて………っ!!」

そのとたん私はたえきれずに倒れてしまった。
そして今、思い出す。
私と隼人君のお兄さん………鷹斗さんとの昔の記憶ーー。

『琴音………』
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