幸せな結末
別れてほしいといった理恵の願いに、「わかった」と返事をした朝陽。
その時と同じ目をしている。

少しやせたようにも見える。

離婚の手続きはほとんど代理人に任せていて、引っ越しの作業も業者が来て行ったため、半年近く二人はあっていなかった。

理恵はどうしたらいいかが分からずその場に立ち尽くした。
来るとわかっていたらちゃんと化粧をしてちゃんとした服を着て・・・。そんなことを考える自分にまだ朝陽を愛していると実感した。

嫌いになんてなれるわけがない。

「ルール違反か?これ。」
「ん?」
「荷物の送り先の住所見て来たのはルール違反か?」
理恵は少し悩んでから首を横に振った。

たとえ離婚しても一生朝陽と会いたくないわけじゃない。むしろこうして会えたことに喜んでしまう自分の隠しきれない気持ちがある。
< 151 / 280 >

この作品をシェア

pagetop