幸せな結末
病院の待合室。
「血圧と体重はかってお待ちくださいね」
「はい」
看護師の言葉に理恵が廊下の血圧計の椅子に座る。
「見てこれ」
理恵が隣に立つ朝陽に自分のお腹を指さした。
大きく膨らんだお腹が血圧計に腕を入れると当たるようになっていた。
「こうしてみるとだいぶ膨らんだな。」
「うん。」
朝陽が目を細めて理恵のお腹をさすった。

生まれる前からこんなに過保護で溺愛している我が子。生まれたらどうなっちゃうんだろうかと理恵は想像するだけで幸せな気持ちになった。

血圧計から結果が出ると朝陽がすかさずに手にする。
「クリア!」
その言葉に理恵がガッツポーズする。
「次は体重だな。」
「うん」
隣の体重計に乗るのを朝陽に支えてもらいながら理恵は緊張気味に姿勢を正した。
< 235 / 280 >

この作品をシェア

pagetop