幸せな結末
深呼吸する理恵の背中をさすりながら朝陽が励ますがその声すら全く耳に入っては来なかった。

お産がこれからどう進んでいくのかが分かる理恵には今の自分が出産のスタートラインにすら立っていないことがよくわかっていた。

「・・・はぁーーーーーーーーー」
「頑張れ」
朝陽の言葉に「終わった・・・」と理恵が伝える。

「どんな痛さ?鼻からスイカ?」
朝陽が質問する。
「ぶっといタイヤみたいなゴムベルトを腰とお腹に巻かれてお相撲さん100人に絞められてるような痛さ。」
理恵がそう答えると朝陽は顔を引きつらせながら、理恵の肩を撫でた。

まぁ、頑張れ。

そんな朝陽のメッセージを受け取った理恵は親指を立てて朝陽に答えた。
「頼もしい」
朝陽はそういうと理恵がシャワーを浴びるのを手伝った。
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