「悪」が似合わない君と。


ピリリリリッ!


うわ、まただ

またあの殺気とやら。


リュードーさんから出ているもの?


怒るの?

あんたこんな挑発でなんで怒るの!?


と、ひたすら脳内で独り言を喋りつつ

夏兄さんに抱かれている肩を震わす


「…おい、触るな」

え…

リュードーさん…?

「その汚い手をトンボから離せ」


声…

怒ってる

リュードーさんが…怒ってる


「へぇトンボってはなちゃんのことかー。センスのない名前だな。はなちゃんもトンボなんて呼ばれるの嫌だったでしょ?」


さっきまでの私に向けていた怖い笑みや、無表情などではなく、いつもの優しい笑顔で私を見て頭を撫でている

でももうそれすらも怖かった


それに…

私は今の夏兄さんに、はなちゃんなんて呼ばれるよりも…




ちらりと前を見る

リュードーさんが殺気を飛ばしながらも私と目が合うと大丈夫だと言うように頷いてくれた



待っててもダメだよね…

私だって戦わなきゃ

リュードーさんも浜田さんも…なぜかカイさんもいるんだ!!


こ、怖くない!

言ってしまえええええ!!


「私は…リュードーさんにトンボって呼ばれるの嫌なんかじゃない!夏兄さんに触られることの方が嫌だ!!」


一か八かだクソヤローーー!

どん!!


「うわ」


思い切り夏兄さんに体当たりしてリュードーさんの方へ走り出す

それを合図に夏兄さんのお仲間日焼け男性2人も私を捕まえようと駆け出す


ひ、ひえええー!

顔怖ぃぃぃ!!


「待てっ」

待たないいい!


震えていたせいかうまく走れずこけそうになる


縛られてるから手がつけない!顔から行くぅぅうう泣


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