庇護欲を煽られた社長は、ウブな幼馴染を甘く攻め堕とす


「えっ、マジ?」

 だが千晃くんの反応は予想外なものだった。

「え? そこどうして疑問形?」

 一気に酔いがさめるような展開に、目を瞬かせる。

「いや、だってさ」

 どうしたのだろう。千晃くんは私の気持ち、わかっていなかったのかな。いつもなんでもお見通しなのに。

「ちょっとビックリした。まだ男として見られていないんだろうなって思っていたから」
「そんなことないよ。ちゃんと好きだよ。もちろん、幼馴染でも近所のお兄ちゃんでもなく、一人の男性として」

 必死にそう弁解すると、千晃くんは「なんだ、そっかぁ」とため息交じりに呟いて、その場で項垂れる。

 昔から自信家で、苦手なものなんてありませんという顔をしていたのに、私の気持ちだけは自信がなかったなんて。ちょっと意外すぎて、可愛いとさえ思ってしまう。

「もう一回聞かせて」
「え?」
「さっきのセリフ」
「だから、私は千晃くんが好……っん!」

 不意に後頭部を掴まれたと思ったら、強引にキスをされた。あまりにも突然すぎて、目は開けたままだ。

 まさかこんなところでこんな風に、千晃くんとの初めてのキスをするなんて思わなかった。

 彼の腕の中であたふたしていると、すぐに唇が離れ、自然と至近距離で目が合う。目の前にある瞳は雄の目をしていて、それがあまりにも魅惑的で思わず息を飲んだ。



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