庇護欲を煽られた社長は、ウブな幼馴染を甘く攻め堕とす
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幸福感でいっぱいの私の髪を腕枕とは反対の手で千晃くんが優しく撫でる。ベッドサイドには薄暗い灯りがついていた。
「椎花はさ、俺の気持ち本当に気がついてなかったの?」
不意に言われ、千晃くんを見上げる。
「昔から好きだったってこと?」
「あぁ。まぁちゃんと意識し始めたのは椎花が中学に上がってからだけど」
「全然知らなかった。だって千晃くんモテてたし、私が近づこうものなら、ファンクラブの人に睨まれたりしてたから、なんかもう別格って感じだったし」
そう言うと千晃くんが呆れたようにクスクスと笑う。
「そういえばあったな、そういうの」
「すっごく怖かったんだよ。あの人達。だから学校では千晃くんに話しかけるのやめてたし」
千晃くんとは年は三つ違うけれど、私が早生まれだから中学高校と一年間だけかぶっていた。そのたびに疎まれたり、恨まれたりしていたっけ。
「でも椎花が意外と強いってこと知ってる。雰囲気は柔らかくてほわっとしているけど、いざって時は芯を貫ける」
それは今回のことを含めて言っているのだろうか?
「きっと俺、そういうギャップにやられたんだと思う」
「ギャップ?」
「中学の時だったかな。確か椎花のクラスに転校生が来たっていうことがあって」
そう言われ思い返してみる。すぐに、あっと思った。
「もしかして、アリサのことを言っている?」
「あーそうそう、それ」
アリサは私が一年生の時に沖縄からきた転校生だった。アメリカ人のお父さんと日本人のお母さんの間に生まれた、ハーフの子だった。