庇護欲を煽られた社長は、ウブな幼馴染を甘く攻め堕とす


 確かに俺は創業者である祖父の苦労を知らない。現在の社長である父は、祖父の苦労を幼い頃から見ていて、小さい頃は電気がよく止まるような貧乏暮らしをしていたと言っていた。だが俺は? 

 幼い頃から社長の息子だとチヤホヤされ、なんの不自由もなく暮らしてきた。生まれながらに時期社長というポストが用意され、食うものも、着るものに不自由したことがない。

 この時、自分がいかに井の中の蛙で、ぬるま湯につかっていたのかを思い知った。それと同時にそんな自分が途端に恥ずかしくなり、俺は会社を辞め、身一つで東京へやってきた。

 持ってきたものはパソコン一台に、数日分の洋服。少しの貯金。高宮家の人間という看板を下ろした俺が、一人の男として通じるのかを確かめたかったのだ。
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