キミとの恋は永遠に輝く



「もーなんで今日に限って居残りなのよ〜!」


文化祭で発表する弁論の練習を急に入れられたため、聖くんに会いに行く時間が遅くなってしまった。


「はぁはぁはぁ、やっとつい……」


「福岡ですか?」




先生とおばさんが、深刻そうな顔して話をしているのが見えた。


「先生、もし向こうでの治療だったら治るんですか?」


「福岡の方が医療機関が発達してますし、少なくともここよりもいい治療を受けることはできます」



「でも、そしたらさ……
美央と、離れなきゃいけないんだよな」


今まで口をつぐんでいた聖くんが言った。




「どういうこと……?」


「美央ちゃん!」
「美央!」



おばさんと聖くんが一斉にこっちを向いた。


「聖くん、福岡行くの?」


「…………」



あぁ、まただ。


聖くん、あなたってば分かりやすいのね。


「迷ってる?」


「え?」


「福岡、行くんでしょ?
元気になるために、行くんでしょ?

それじゃ行かなきゃ!」


「でも、そしたら美央と……」


確かに、びっくりした。

でも、聖くんが治るためなら……



「私は大丈夫だよ!
聖くんが元気になるためなら、遠距離なんてどうってことないもん!
だから、だからね……」



「美央……」


「……っ、ごめん」


ちゃんと言わなきゃ。


いってらっしゃいって伝えたいのに、涙は伝えさせてくれない。


余計に心配させてどうするの。


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