特殊探偵世界係!!
結局、真子が話に入ってくることはなく、レアとクリスタ、小百合に泉の四人だけのティータイムとなってしまった。

泉は思う。このままではいけないと。また胸のあたりに手を当てた。



「一週間、お世話になりました」

泉は英語で言い、ぺこりと頭を下げる。ニュージーランドの占い師のもとで泉はアルバイトとして働いていた。妖怪を操る人間を探すためだ。

「短い間だったけど、あんたなかなかよかったよ。またいつでも遊びにおいで。桜、元気でね」

占い師の老女が歯を見せて笑う。桜というのは偽名だ。小百合がコードネームを泉たちに与えてくれた。

レアはローズ、クリスタはデイジーというコードネームだ。三人の出身国の国花の名前から取った。

「じゃあまたね」

老女が背を向け、店の中へと入ろうとする。泉は空中から薙刀を取り出し、「ごめんなさい」と呟き、薙刀で老女を斬りつけた。老女は驚いた目で泉を見つめるが、すぐにその目はぼんやりとしたものになり、フラフラとした足取りで店の中へと入っていった。この老女は、もう泉のことを忘れている。

潜入調査はこれで五人目。泉は主に、イタリアと英語圏の国の人間を調査していた。
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